九州産の青汁について
通信販売や、青汁専門店、スーパー、薬局、最近ではコンビニなどでも、とても買いやすく、また選びやすくなったのが、野菜不足をおぎなって健康をサポートしてくれるとして評判の高い青汁。
最近は粉末タイプや錠剤などの青汁サプリメントタイプ、液体タイプなどのほか、冷凍や冷蔵で販売されているもの等、地方でも豊富な種類が見られるようになりました。
青汁といえば、その多くは国内工場での生産品ですが、どんな地方で栽培されてると思いますか?どこが青汁の発祥だと思いますか?とたずねると、なぜか多くの人が答えるのが、九州地方です。
一体なぜなのでしょうか?
■青汁と呼ばれるもののオリジナルは岡山県
実は青汁は、岡山県で戦後すぐに生まれました。大学教授で医師でもある遠藤先生夫妻による「戦争で栄養面でもとても偏っている日本人に、すこしでも滋養になるものを、手ごろな素材から」ということで、野菜として出荷される大豆など作物の中で廃棄される葉の部分や、蕗の葉など豊富な野菜や山野草をベースにつくられた植物のしぼり汁が青汁。
その命名も、遠藤先生の奥さまが行い、直接販売などを多くの地域の人たちが集まって、広いエリアで開始。
その後商売として組織化され、現在の青汁スタンドにとつながりました。
高度経済成長期から現在に至るまで、出勤前に駅前の青汁スタンドでごくっという習慣を欠かせない方は少なくありません。
■CMでおなじみのケールの伝来地は九州エリア
対して、70年代後半からのテレビCMなどの広告にある「マズイ、もう一杯」の青汁はケールがメイン。このケールは諸説ありますが、中国を経由して日本にわたってきた仏教者やその他の宗教者が、自ら食するために、持ち込んだカンランの仲間です。
もともとは紀元前後には既に地中海沿岸で栽培されていたミネラル豊富で環境を問わず丈夫によく育つ植物ですが、さまざまな地域に移住者が携えて、食品として使用するために広がりながら品種改良なども受けてきました。
日本でいう江戸時代までの間には、キャベツの仲間から観賞用(葉牡丹の仲間)のようなものまで多く作られるようになりました。
日本では歴史上、江戸時代に観賞用が、それにおくれてキャベツの仲間が入ったといった説が主流ですが、九州エリアでは長崎をはじめとしたエリアに居た宗教者が、庭先などで栽培しており、その健康効果や強靭さなどから、地域の人も栽培をつづけていたため、それ以前から地域になじんだ植物だったとも言われています。
時代としてははっきりしませんが、民間の健康維持のための、ちょっと食べにくい植物として、江戸時代中から既にほそぼそと伝わっていたということもあり、このケール自体の栽培の歴史が、CMの印象とも相まって「青汁は九州発祥」のイメージそのものとなっているともいわれています。
■九州だからこその豊富な素材
九州はご存知の通り、年間を通じて温暖な地域から雪も降る寒暖差で豊富な野菜や果物が栽培されています。また日本ではこの地域だけでしかほぼ栽培されないものも豊富。
山などの地形にも恵まれて、畑もほぼ都市部とは隔てられた環境にあり、清浄な環境が保たれた専用農場なども多くみられます。
強い日差しと、豊富な水など、自然の恵みを贅沢にうけて育った植物からの青汁は、やはり植物自体の元気がちがう、同じ品種でも関東エリアなどとくらべては味が個性的、国産環境だから安全といったこともあり、青汁としても人気が高くあります。